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「選択的夫婦別姓制度」導入への賛成意見書。

最近、朝日新聞の記事がきっかけになり、夫婦別姓問題に関する議論が盛んに行われている。
夫婦別姓制の法改正、賛否は二分 世代間の差くっきり(朝日新聞 2013年2月16日)

ゼゼヒヒ(インターネット国民投票)での結果は、「夫婦別姓にあなたは賛成?反対?」の問いに、賛成が78%、反対が22%という結果になっている。ちなみに一番上にでているのが私(@saereal)が寄せた回答である。
ゼゼヒヒ 「夫婦別姓にあなたは賛成?反対?」

上記のゼゼヒヒでも書いているように、私は選択的夫婦別姓支持者だ。
全員が別姓にする必要はないし、変えたい人は変えればいいと思う。
同時に、変えたくない人は変えなくてもいい、という立場。

2006年に行われた内閣府の世論調査では、選択的夫婦別姓について、全体では賛成36.0%、反対35.5%と拮抗しているが、20代から50代に限ると賛成42.5%、反対25.1%と賛成者が多数派になっている。先ほど紹介したゼゼヒヒの結果をみても、「選択的夫婦別姓」導入という理念に対し、これから結婚し子どもを産む若い世代において、賛成者の数は決して少数派ではないと予想される。

しかし一方で、選択的夫婦別姓制度を導入したとしても、夫婦別姓を選択する人の数は全体の5分の1に満たず、その理由としては「別姓だと子どもに好ましくない影響がある」という回答が6割以上寄せられている(後述する『フランス女性はなぜ結婚しないで子どもを産むのか』の二宮周平論文より)。このように理念(アイデア)への賛成と現実行動の乖離には、「夫婦や親子は同じ姓であるべき」という人々の心の中にある法や、それらの集合体が作り上げる社会の眼が垣間見える。


子どもと姓
「二人の時は別々でもいいけれど、子どものことを考えると名前が一緒の方がいいかな」という発想をする人が非常に多いのは何故なのか。

その理由は、婚外子(非嫡出子)と婚内子(嫡出子)の間にある差別である。

差別のひとつめは、相続分差別だ。
相続における差別とは、財産の被相続人に「嫡出子」と「非嫡出子」がいた場合、「非嫡出子」の子どもは「嫡出子」の1/2しか相続できない、というもの。嫡出子というのは、婚姻関係にある男女の間に生まれた子(つまり氏を揃えて役所に書類を提出したカップル、婚内子)、非嫡出子とはそうではないカップルの子ども(婚外子)のこと。

この差別は、カップルが産んだ子が全員婚外子もしくは婚内子であれば起こらない。
つまり、この相続分差別が起こりえるのは、その男女が婚姻をして産んだ子と婚姻をしないで産んだ子の両方を持っているケース。非嫡出子が何故産まれるかというと、一部の特殊な事例をのぞけば、男女のどちらかが(特に男が)、片方とは法的に婚姻して、片方とは法的に婚姻しないという不誠実で一貫性がなく身勝手なことをするから。

こういうのを見ていると、夫婦同姓の原則と婚外子への差別というのは、「婚姻した正妻とその子どもを守る」という名の下に、愛人とその子どもとの差別化を図ることによって、婚姻相手+その他の相手(愛人など)を両立させるために存在しているのではないかとすら思えてくる。

ちなみに、この相続分差別については、国連人権規約委員会から、人権侵害であるから撤廃するようにと是正勧告が出ていることをも忘れないでおきたい。


他にも民法上のこんな差別がある。婚外子が産まれた場合、事実上の父母が共同で子育てしていても、婚外子は父または母の単独親権となり、共同親権が持てない、ということだ。

親権と名前の一致は別に関係ないでしょう!と思うが、婚姻して同じ姓にしないと、子どもの姓は自動的に母親の姓になり(これは父親の認知で父親の姓にかえることが可能)、親権も共同では持つことができないというのだ。二人が一緒に育てると決めたのなら、両方に親権があってしかるべきでしょう。かつ、結婚の意志があり、二人で育てると決めて産むのであれば、姓も母親のものにするか父親のものにするか、自由に選ぶようにすればいい。父親の認知→家庭裁判所で子の姓の変更許可などという手続きを踏まなければ行けないのは、法律上婚姻しない(つまり姓を一緒にしない)事実婚がこの社会で認められていないからで、なんとも面倒くさい。

こういう障害が他にも多々あるので、子どもを産んだ両親は自然な流れで「子どもも出来たし、籍いれなきゃな(姓一緒にしなきゃな)」となるのである。


生活と姓
「婚姻」の特権は、扶養控除や配偶者の健康保険の利用、遺族年金の受給など様々な分野にわたる。
この婚姻の特権は、高度成長期を支えた性別役割分担と女性による無償の家事労働であり、男女が共同生活する上で、このような専業主婦型の女性とひたすら働いて稼ぐ男性を守るために機能していた。

しかし、今はどうか。女性が専業主婦になり、女性と子どもを完全に扶養できるくらい男性一人で稼げる社会ではなくなっている。同時に、女性の社会進出も進み、能力やキャリアを生かして働き続けたいと考える女性も増えてきている。

こうして女性は「仕事も家庭も」両方頑張ることを求め、求められてきているのだが、一方で男性の方の「仕事も家庭も」は、なかなか進んでいない(家庭の仕事に貢献するとイクメンだのなんだのともてはやされる始末で、実際に二兎追えている男性は女性に比べて少ないのではないかと予想される)。生活のスタイルは変化しているのに、婚姻制度だけは未だ高度経済成長期の時代にあったままになっているのが現状なのだ。

内閣府の調査では、「同じ名字を名乗るべきだが、婚姻前の名字を通称として使えるように法律を改めることはかまわない」が24.0%あるというが、私はむしろこの提案は、「一緒にいるときの通称」は同じ名字で揃える、でいいと思う。なぜなら、たとえば夫婦別姓の家族で何かに参加したりするとき、「〇〇さんと〇〇さん家〜」と言うのは面倒くさいじゃん。

個人で活動するときは当然、お互い名字。法律では別姓で婚姻ができるようにして、産まれたときからの姓をそのまま使えるようにする。ただし、結婚して一緒に行動するときは、どっちかの姓を二人の通称として使って構わないとする。

たとえば、子どもができたら子どもの名字として選んだ姓の方で、ひとつの家族のまとまりとして呼ぶ、それが通称。でも、実際は夫婦で異なる名字を持っている。周りの人間も「今は便宜的に〇〇さんと呼んでいるけど、実の名字は違う」ってことを当然のように分かっていて、それを認めている。

また、私が「選択的」にこだわるのは、姓は変えてもいいし変えなくてもいい、という自由があるところにこの別姓制度導入の意味があると思うからだ。たとえば将来的に同性結婚ができるようになったときも、子どもを作らないカップルにとっても、人によってはもしかしたら名前を一緒にするということを、一つの結婚の証にしたい人も出てくるかもしれないと思うからだ。


選択的夫婦別姓に異議を唱える方々に申し上げたい。

夫婦別姓の議論の際に、よく反対勢力(いわゆる保守層)から出される夫婦別姓反対意見の代表例が下の2つである。

・「家族の崩壊を招く」「夫婦や親子の絆が薄れる」「家族の一体感が失われる」
これに関しては、個人的な感情からいうと、笑止。
「日本の良き伝統を守りたい」と言う保守層の人たちは、自分に一体感をもたらしてくれるシールが大好きね。

ただ、形を求めるたいという気持ちは分からないでもない。一緒の名前にすることで相手を縛りたいという潜在意識も満たされるのだと思う。これは男女ともにそうなんだと思うが、特に男性の方にはその傾向が激しいのではないだろうか。女は、例えば自分の腹からこどもを産めば、姓がなんであろうが、自分の子どもには変わりないので、名目よりも実を取るのだと思う。

姓が一緒じゃないと、家族の崩壊を招くのか?そうだとしたら、そのプロセスをいちいち教えてほしいよ。家族が崩壊するのは、たぶんそこじゃないですよ。法改正で選択的別姓を導入したからって家族が崩壊すると考えるのは、私は他にごまんとある崩壊の理由に眼を向けずにいるだけだと思う。


・名前が違って子どもがいじめられたり、嫌な思いをする。
子どもが名前(姓)のせいで嫌な想いをするとしたら、その社会の風潮を作り出しているのは紛れもなく大人です。
自分が作り出したゲームのルールの中に存在する「罰ゲーム」に対して、子どもをその罰ゲームにあてないように努力することが、あたかも子どもたちを守る正義的な行動だと考えているのかもしれないけど、そもそもその罰ゲームをなくすほうがいいんじゃないか?ということ。

まるで子どものことを一番に考えています!というスタンスで「両親は同じ姓がいい」と言う人にはものすごい偽善的なものを感じる。その人たちは、離婚した子どものことや、離婚したいけどできない両親のことまでちゃんと考えているのか?

離婚して、その子どもをたとえば母親が引き取った場合、名前が変わるケースが多い。それを可哀想という発想になるのは、家族は名前が一緒になるべきという概念が染み付いていて、姓が変わったってことが、そのまま家族離散を象徴しているように見えるから。婚姻が一緒の姓になることとイコールであるということは、一緒の姓でないことが、両親の離婚を代表とする家族形態の変化をそのまま反映していることになる。その方がよっぽど子どもにとっては負担だと思う。

あと離婚の場合多くのケースでは女性が子どもを引き取るので、このままの婚姻制度だと離婚したら女性も子どもも姓を変える。別れたいし別れた方がいいのに、別れると子どもの姓が変わるのが可哀想だからとかいじめられるからという理由で離婚を思いとどまる女性も決して少なくないと思う。両親は同じ姓であるべきだ、という人は、その思想が決して「子どものため」とか「家族のため」という正義面したポジティブなものとだけ結びついている訳ではないことを理解すべきだと思う。


選択的夫婦別姓にこだわるのは、それを導入することで、一つの名前=一つの家族という原理原則にしばられて、それが途中で変わったり親と違ったりすることでネガティブな感情を持たなくなるため。
法改正そのものよりも、人々の心の法をどうかえていくかが一番重要だと思っている。

でも法を改正することは、新しい婚姻や家族の形に「お墨付き」を与え、社会的な承認を得ることにつながる。トップダウン式で人々の心に沁み付いた前時代的な価値観や偏見をかえることができるのなら、まずは選択的夫婦別姓制度という法改正のために、アクションを起こしていくことが大事なんじゃないかと思う。


個人的な思いを言えば

はっきりいって、名前なんてどうでもいいと言えばどうでもいい。
まあ1人娘なので、父親の目の黒いうちは今の姓でいたら父親が喜ぶ(実際にそうして欲しいと言われたので)くらいのもので、これがもし私が憧れている一文字名字とかだとしたら、意外と簡単に変えたかもしれないな、とも思うこともある。少女漫画に出てくるみたいに、自分の名前を好きな人の名字に変えて、うふふ♡なんてことをやったことだってない訳ではない。

それでも腑に落ちないし、気持ち悪いんです。当たり前のように男の名前に変えるという風潮が。
そして、私は今のフルネームを気に入ってるし、さえという名前は名字に合わせてつけているんです。漢字のバランスも何もかも。反対に、自分の名字が気に入らなかった人に取っては(私の友人でもいた)、結婚は名字を変えるいい機会だから、そういう人はどんどん変えればいいと思う。結婚して名前が変わることを憧れていた人も同様に。
子どもの名前は、正直どっちでもいいけど、私は個人的に自分の名字を割とかっこいいと思っているので、その名字の方がいいかな。でももし、相手の名字が私の名字より明らかにかっこいい!と思ったら、多分子どもはそっちの名字の方がいいと言うと思う。

以前、名字の話をしたときに、恋人ははじめは一緒にしたいと言った。でも私は名字を変えたくないといい、彼自身も名前を変えたくないと言った。私は自分が変えたくないというのだから、彼が変えたくないという気持ちも分かる。ただし私は一緒にする必要はないんじゃないと思っているが、彼自身はやっぱり一緒にしたかったようだ。勿論、女である私が彼の名字に変えるという形で(ここでは私が長女で1人娘、恋人は男3人兄弟の次男という事は考慮されない)。やはり男の姓に女が合わせるのが当たり前という風潮の中で育ったので、そうするのが「当たり前」だと思っていたようだ。彼の夢を壊してしまって申し訳ないと思うが、私の主張も理解してくれたので、彼には感謝している。

自分の子どもの世代には、姓に関してもっと主体的な選択をするのは「当たり前」だと思う時代になってほしい。


夫婦別姓・事実婚・・・日本の婚姻を考えるための参考図書

こんな本もあって、実際に事実婚を選んだ福島瑞穂さんのインタビューも載っている。
事実婚thinkingの導入としてオススメです。

事実婚 新しい愛の形 (集英社新書)事実婚 新しい愛の形 (集英社新書)

こちらはよりアカデミックな要素のつよい本。フランスの婚姻制度や女性についてが中心だが、日本法における婚姻規範や日仏の比較が論じられておりとても興味深い。

フランス女性はなぜ結婚しないで子どもを産むのかフランス女性はなぜ結婚しないで子どもを産むのか



| | 01:35 | comments(3) | - |
コメント
本当におっしゃるとおりだと思います。

とはいえ、今回の調査で、36%が制度に賛成、そのうちの24%ほどが実際に別姓希望、という統計を、人口に当てはめると、1千万人以上の人が実際に別姓を希望している、ということになります。

この状態で、「反対」という人たちがいること自体が私は信じられません。
たとえば、大阪府の人口は1千万人以下ですが、「大阪には行ったこともないし、行くこともないので、大阪には上下水道の整備なんて必要ない」というのと同じくらい非常識だと思います。

多種多様な価値観を認める社会になってほしいと思いますが、選択的夫婦別姓に関して言えば、それどころか、1千万人もの人が希望しているのですから、もうすでに普遍的な価値観になっているのだと思います。
| 通りすがり | 2013/02/25 11:09 PM |
御意ですね。真底どうでもいい問題ですが、どうもこれを問題化したがっている人間がいるみたいですね。そんな奴らは放っておいて、持論と考えを持ち、アクションを起こしていく事に徹しましょう。
| ひろ | 2013/02/25 11:46 PM |
私は、反対派です。確かに夫婦間では平等にした方がいいとは思います。ただ子供の場合は問題がたくさんあるので、クリアできなければNGです。
たとえば、子供の姓の選択の自由は?
万が一犯罪を起こした場合は?(犯人が姓を変更する可能性もあるので名前しかニュースで公開されない可能性がありますが?)
離婚したときに、姓名が原因で親権がとれない?
今思い浮かぶだけでこれだけありますが、この点がクリアできないと厳しいと思います。



| 今日の一言 | 2013/05/29 11:17 PM |
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