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想像力の必要性(いまさらだけど、『永遠の0』を観て思ったこと)


最近残念だと思うのは、戦争のことを語ったり、戦争関連の話に興味があるというと、途端に右系にカテゴライズされるケースが決して少なくないことだ。そして、実際に戦争体験ではなく戦争そのもののあり方について積極的に語る人達が、右系に多いような印象を受けるのも残念に思う。

私の授業では、ナショナリズムや歴史認識、領土問題や靖国などについて考え、レクチャーと問題提起のあと皆で英語でディスカッションをしている。海外からのゲストスピーカーを呼んで歴史について討論することもある。あるとき、とある学生が私がテレビドラマの話をしていたのを聞いて、「先生は産経新聞とかしか読まないと思ったのに!」と言ったのを聞いて(内心大変)ショックを受けた。前後の文脈からして特に深い意図なしに軽い気持ちで流れで言ったようだったので、学生に対しては何の悪い感情もないのだけれど、戦争の話=ニッポン大好きな人=ウヨクみたいな図式がそれとなく共有されているようで、この社会にモヤみたいにかかったカテゴライズの空気を感じた。



去年の暮れ、映画『永遠の0』を観た。観たあとに様々な思いが去来し、すぐにこの文章の下書きを書いたのだがまとめられずに半年も寝かしてしまったが、思い切ってあげてしまう。

『永遠の0』大ヒット以降、NHK経営委員にもなって香ばしい言動で注目を集めている百田直樹さん。
私はこの人の南京や慰安婦に関する発言のことは残念だと思っているし、その他報道されている発言を観る限り、ほぼ反発を覚えても共感することはあまりない。しかし、彼の書いた『永遠の0』は夢中で読み、映画も最後まで真剣に観た。作者の思想や脚色(いわゆる美化しているところ)はともあれ、あの頃、この国で闘ってきた人達の物語を読んだり見たりしながら思いを馳せるということが、とても大事だと感じる。


戦争に関する物語(本や映画や人々の語り)に触れていつも思う。
戦争は、圧倒的な悪だ。それは命がどんどん軽くなるという意味において。
それは実際に命が使い捨てにされているという意味だけでなく、
命というものに対する人間の価値観をも変えていると思う。

永遠の0の中で、こんな台詞がある。
『彼らが死ぬことで、生きながらえている』
戦争がもっとも最悪なのは、生きるということを悪いと思ってしまうような環境を作ってしまうことだ。
悲劇や悲しみがあまりに当たり前になってしまった時代のなかで、生き延びることを正当化できない環境が作られていて、それはナショナリズムと同じくらい怖いものだと感じた。


そして当たり前のことだけれど、軍というのは一つの生き物で、その内部には有機的なつながりがある。
そこで起こる論理や動きについて思いを馳せなければ、この物語を理解することはできない。
兵士1人ひとりを見れば、彼らは名目上大義上は国や天皇といったために闘っているが、「天皇」も「国」も個人レベルにおいてはただの後生大事な概念に過ぎず、実際は同じ仲間や家族や軍隊、という狭いけれども自分にとっては本当に大事な世界のなかで、愛情や憎しみや葛藤や様々な思いを抱えながら生きているものだ。

友人の名誉を守った人を守りたいと思ったから、誰かを守った。
そうやって守ってもらったから、相手を生かした。
人間を動かしているものは、そして人間の生き方や運命を決定的にするときに、人々の感情が果たす役割の大きさを決して過小評価してはいけないし、だからこそ人は戦争と非常事態のなかで時代の流れに簡単にコントロールされて行ったのだろう。



「永遠の0」は、私にとって観て感動した!泣ける!という映画ではなく(そういう感想が多いのにも驚いた)、胸が苦しくなって、場面場面で考えさせられるとてもいい映画だった。「風立ちぬ」のように「生きろ!」オチではなく、生きるということを正当化・美談化できないところを、きちんと描けていたように覚えている。半年前のことなのでもうネタバレしてもいいと思うから書くと、最後に現代の渋谷で三浦春馬がおじいちゃんの過去に思いを馳せていると、想像のなかで飛行機が飛んでくる場面はいらなかったと思う。あれはなんだったんだ。

脇を固める年配の俳優陣がさすがの存在感と抑制された演技力が印象に残ったのと、昔→現在の流れのなかでは新井浩文、田中泯という役者の流れが最高でした。




何かに思いを馳せるために、物語はとても重要な役割を果たす。
そして、自分が経験していないことを理解するには「想像力」が必要だ。
そして想像力は、創造性とは全く異なるもので、何もないところからは生まれない。
様々な考え方やものに触れることでしか鍛えられない。

歴史教育に一番大切なのは、学生達の想像力を育てることだと思う。
実際の歴史というのは、その出来事に能動的に、受動的に関わってきた人間達のそれぞれのストーリーの結晶体だ。
人間はそれぞれ一つの物事(たとえば戦争)に関して皆違う関わり方をして生きていて、それぞれがそれぞれの物語と歴史的事実に対する解釈を持っている。

最後のセリフでもあったけれど、あと10年もすれば戦争を経験した人たちはいなくなる。
それまでにどうやって戦争の記憶を伝えていくか。
ひとりひとりがみんな持っているという物語は、学校の歴史教育では見えてこないものだし、個人個人の歴史を忘れ、その総体であるべきところの「国家の歴史」ばかりが受け継がれて行くとき、私には危うい未来しか見えてこない。
| | 16:12 | comments(3) | - |
千年の愉楽+夢売るふたり+その夜の侍 and more


千年の愉楽 [DVD]
千年の愉楽 [DVD]


俳優さんの匂い立つような演技と若松孝二の撮る画面を見ているだけで心を奪われるような二時間。ストーリーラインを追おうとせず、三味線の音と一緒に二時間見ているだけで昭和のあの集落の空気感に飲み込まれそうになる。

寺島しのぶ+佐野史郎という演技派に加えて、高良健吾、高岡蒼甫、染谷将太というエロくて男臭い若手俳優セレクション。興行的な引きはないかもしれないけど、数あまたの中からこの三人を選んだっていうキャスティングには拍手。『軽蔑』の時も感じたのは、高良健吾が外道な役をやると、その整っていて線の細い感じがとたんに軟派で儚い男の性を体現しちゃうこと。外道さをのせても品を失わずエロさが出せる数少ない俳優だと思う。高岡蒼甫は根っからの自分勝手な男だけど弱いところも持っている、っていうおそらくこの人自身にも通じるところがあるんだろうあなって思う。染谷将太くん(年下過ぎて呼びつけできない)は抑圧された狂気を持つ役(『ヒミズ』)や人道派のいいやつ(『永遠の0』)っていう役しか見ていなかったので、今回の粗野な男っぽさにドキドキしてしまった。ほんの数分の出演なのに、トリのエピソードの印象が一番強く心に残った。

原作との世界観の乖離でいくつかの批評があるようだけど、私は原作を読んでいない。寺島しのぶの住む家に人が息を切らして駆け上がり、様々な出来事を伝えて行くシーンが印象に残って、さすが長年の映画人(故、若松孝二監督)の撮る映画だなあと思ってしまった。合掌。


著者 :
バンダイビジュアル
発売日 : 2013-03-06


この映画の「ふたり」をみていると、彼らとはその関係性も境遇も全く違うのに、なんだか覚えのある感覚を抱いて痛く切なく感じる人が少なくないように思う。私は女で妻だから、映画にでてくる松たか子演じる里子とはまったく違う人生を送っているはずなのに、彼女が言うこと、思っていること、やること、どこか同じようなことを感じていたり、行動しているような気がする。


著者 :
キングレコード
発売日 : 2013-05-07


端から見たらどう考えても悪い方向へと進んでしまう人たちの姿が丁寧に描かれた映画。その悪い選択をするときの登場人物の表情をカメラはずっと捉えている。人生を変えてしまうような判断は、実は本当に短いほんの気の迷いのような時間でなされていてそのプロセスを見ているからこそ、そのあと続く長い人生と苦悩が余計に重く感じられる。様々な人が誤った判断の連続に絡めとられて行く中で、その彼らの闇の中に引きずり込まれながらも、良心を持ってそばに居続ける何人かのひとたちの姿が救い。


今回借りた三本の日本映画は、みんなタイトル素敵だと思った。

上から、好きな順です。ちなみにもう一本山田孝之映画(闇金ウシジマ)を借りたのだけど、途中で見るの辞めました(彼はあまりにたくさんのドラマや映画に出ているけど、もう少し出演作を選んだ方が良かったんじゃないかなと思ってしまう)。私は俳優としての山田孝之ファンなので彼の出ている映画はすべて見ます(『勇者ヨシヒコ』シリーズですら全部見ている)。


最後は韓国の映画。

著者 :
アミューズソフトエンタテインメント
発売日 : 2013-09-25


デコレーションケーキみたいな大衆映画。面白いけれど、カロリー過多になって、観終わったときの満腹感がはんぱない。まだくるか、まだあるのか!と思うほど、とにかく色んなものが乗っかってる。甘い気持ちになるもの酸っぱいもの、どきどきするもの、裏切り、王道のどんでんがえし、無力感、セクシーみどころ、勧善懲悪などなど。だからこそ退屈しないんだけど、多分こういう映画ばかり見ていると、どんどん物質的に贅沢になってしまって、質素でも本当に美味しいものが物足りなくなってしまうような気がする。それは嫌だよね。





今月は、あとはこんな本を読んでいます。
授業で靖国問題や領土問題を扱っていることもあって、歴史関連の本はもっとたくさん読んでいきたい。








| | 23:17 | comments(0) | - |
海外ドラマがお好き(SHERLOCK + BIG BANG THEORY)

ずっと観たかったSHERLOCKのシーズン3、ついに優酷で発見しました。
ありがとう、中国のひとたち!






中国語で神探は名探偵のこと、夏洛克はシャーロックの中国語当字。

シャーロックの魅力は何よりもベネカンの出で立ちとキャラ設定だと思う。色っぽい声と綺麗な瞳、それから決して二枚目ではないのだけど一度見たら忘れられない顔つき。

勝手に行動しながらも、手ぐすねをひいているようなまなざし。天才+冷静+傍若無人でありながら、子どもっぽいわがまま+甘えの鱗片が見えるところに、ギャップ&ツンデレ萌えする。

今までシャーロックは何度もドラマ化映画化されているが、私はどれ一つとしてきちんと観た覚えがないため比較はできないが、古典作品でありながら、現代的な科学捜査の方法を取り入れて、まったく古さを感じさせないストーリーになっている。


優酷が素晴らしいのは、英語+中国語字幕で見れることだ。
SHERLOCKは字幕がないと、耳だけで聞くのはちょっと難しい。語彙というよりは、表現方法について行けないことが多く、フルに理解できない。その点、英語字幕がついていると、大変理解がはかどるし、知らない単語が出てきたときに調べて新しい表現の勉強にもなる。

ドラマを英語で聞いて英語字幕で見て、分からない表現を調べるという方法が好きだ。私は韓国語を殆どこれで勉強した(当時好きだった歌手や芸能人のでるバラエティ番組を見て、出てくるキャプションを片っ端から調べて覚えた)。これほど苦にならない勉強方法もない。(Huluとかにも是非御願いしたいのだけど、もっと英語字幕を!)



今までシットコム(Situation Comedy)にはあまり興味がなかった私が、最近嵌って観ているのはこのドラマ。




シャーロックとこのドラマの登場人物(特にシェルドン)は、すこし似ていると思う。タイプは全く異なるんだけど、早口で言葉を重ねて描写していくところが特に。多くの「普通の人」は相手との距離やその場の雰囲気に合わせて会話をアレンジするんだけど(まあそれがいわゆる会話というものだと思うのだけど)、彼らは常に自分の分析を話しているんだよね。すべての会話がとても描写的(ディスクリプティブ)。

少し前に少し嵌っていたGossip Girlは、見始めると仕事が手につかなくなる&鞄が欲しくなるので自主規制中。
彼らの恋愛模様や恋愛観にはついていけないことも多いけど、もっとも感情移入してしまうのはC & Bです。あんな俺俺な男、日本ではモテ男として成立しなさそう。


| | 14:09 | comments(0) | - |
『風立ちぬ』感想 戦争も恋愛も、飛行機という夢の陰に薄れていくこと



『風立ちぬ』鑑賞だん(以下ネタバレしない程度の感想)。前半は、素晴らしい映画だと思った。大正から昭和にかけての日本とそこで起きた社会的現象や戦争が描かれていて、その描かれているという事実に感動した。関東大震災を描いた部分は、アニメとして歴史に残ると思う。映像の中でも特に、空と光がダントツに美しかった。主人公の堀越のナードな喋り方や東大生同士の西洋かぶれの会話も圧巻。日本の歴史を知らない海外の人にも観て欲しいと思った。このタイミングでこんな映画を作った駿監督はさすがだと思う。

ただ後半、奈穂子との恋愛は時代的背景を考察すると大変興味深いが、現代に生きる私から見れば、パートナーとしての二郎はとんでもない屑男なので、制作者側が意図したであろう感動の純愛部分では全く涙もでない。また、あの零戦を作った技術者と戦争との間にある「距離感」には考えさせられた。当時の日本が世界で置かれている位置やエリート技術者と巷の生活との乖離などは、見る人がどれだけ歴史的認識を持っているかによって、捉え方が異なるだろうと感じた。結論として、堀辰雄の原作と堀越二郎物語を合体させたために、どっちも薄くなってしまったと思う。

私としては、できれば古い男が喜びそうな(俺は俺の夢を追いかける!でもお前をそばに置いておきたいんだ!みたいな)身勝手な純愛物語をコア部分にねじ込まず、零戦を作る男の物語をスタジオジブリで見たかった。最後の最後で、零戦は「一機も戻ってこなかった」とか軽く言われて、奈緒子の残像と空想で終わられても・・・!何度も言うけど、堀越二郎が作りあげたの、「あの」零戦だよ!と言いたくなる。

技術は、誰かの夢であると同時に、他の誰かを人を破滅へと追いやることもある。特に、戦争が関わってくるときには。この映画で描かれている堀越さんは、映画制作者側が意図的に技術者としての夢の部分を尊重したことで、自分が「愛した」と言っている女性にも、零戦がもたらしたものの大きさにも、あまりにも無頓着なように見えた。堀辰雄原作あっての作品であり、実在の人物である塚越さんの伝記でもあるから、故人への悪口にはなってほしくないのだけど。

ちなみにネットでは結構たたかれていたエヴァ監督庵野秀明さんの声は、自分と自分の作り出すもののことだけで周りが見えない主人公のキャラとよくマッチして、ものすごく嵌り役だったと思う。

まとめ。この夏、戦争を考えるきっかけとして、オススメの映画。物語の大筋は娯楽的に作られているけれど(そのための恋愛要素なのか!?)、小さなエピソードやディテールで、社会科の授業で使えそうな部分がたくさんある。ただ、私は相当の安い涙持ちですが、泣けはしません。



零戦入門には、やっぱこれだよね。




| | 00:46 | comments(0) | - |
『LOST』の英語 LOST鑑賞記 (2)



LOSTは英語学習にももってこいのドラマであった。
私はHulu で見ていたので、最初は日本語字幕で、第1シーズンの途中からは英語字幕で見ている。
LOSTに時間を費やしていることを「英語学習」ということで正当化するように、鑑賞記の2つめは、LOSTの英語について書いてみる。

メインキャラクターの話す英語を、私が難しいと感じた順番にならべると、Sawyer>>>John Locke>Sayid>Jack>Hugo, Charlie>Claire, Kate, Juliet>Sun となる。

非ネイティブの私にとって、一番分かりにくい英語を話すのがSawyer(James Ford)だった。英語字幕をみて単語を引かないと何を言っているのか分からないことが結構あった。その理由としては、まず本質的なことを言わない、回りくどい言い方が多いこと。会話の中に、俗語やあだ名を頻繁に挟んでくることが多いためだ。

ロックも、使っている語彙はそれほど難しくないものの、観念的な言い回しが多いので分かりにくい。
ジャックは医者という立場上、専門用語を多発するときがある時は聞き取りが難しい。あと素直にならないときの言い訳っぽい台詞も分かりにくいことがある。

一方で、クレア、ケイト、ジュリエットなど女の子たちの英語も分かりやすい。この3人の中ではジュリエットが圧倒的に学習能力が高い役だったのだが、取り乱したり声を荒げたりすることが少なく、諭すように話すキャラクターだったということもあって、分かりやすかった。

サンは韓国人で、外国語としての英語(EFL)を後天的に身につけた、という設定なので、文章の組み立て方をみても、頭の中で英語に変換して話しているのが分かるので、追いつきやすい。

チャーリーとハーリーは、とても早口で、それぞれ英俗語と米俗語を多用するので最初は戸惑ったが、慣れてくるとこの二人が使う語彙がとても平易なことが分かった。俗語はほぼこの二人から習った。特にハーリーは、語彙が分かりやすく、長い文章を話すことはほぼなく、話す構文がとてもシンプル。

サイードはイラク人という設定で、特徴のある英語を話す。後置修飾でどんどんつなげて追い込むように話すタイプの英語で、私にとっては聴いていて疲れるタイプの話し方だった。


もう一つ、このドラマに象徴的なのが、何度か繰り返されたdiscretionという言葉だ。Discretionとは、日本語でいうと「分別」や「思慮」のような意味。

前回のエントリーで書いたように、この物語の面白さや複雑さは、登場人物達がそれぞれの物語や思いを簡単にシェアできないということろにある。そこでよく出てくるのがこの言葉で、争いや誤解が生まれたときに言うのだ。私には分別があるから言わなかったんだ、と。


学んだ言葉はいっぱいあるけど、その中のいくつかはこれ。


名詞たち
clan 一族
landslide 大勝
helm 舵取り
arbiter 決定者
grunt うめき声
ingrate 恩知らず
detention 居残り 
distress 遭難
plea 嘆願
antibiotics 抗生物質
abdomen 腹部
chore 雑用
tarp=tarpaulin 防水シート
fungus 真菌
looting 略奪
fuselage 機体
tether 鎖
boar イノシシ
furnace かまど
diversion 陽動作戦
scrape かすり傷
savage 蛮人
fuse 導火線
ramification 分岐
gangrene 壊疽
amputation 切断(医)
venom 毒
transfusion 輸血
tumor 腫瘍
fugitive 亡命者
turnip カブ
lumberjack 木こり
pickax つるはし
provocation 挑発
dodge ごまかし
nemesis 宿敵
amnesia 記憶喪失
loop 仲間
Pharisee ファリサイ派の人々、偽善者
hypocrite 偽善者

動詞たち
amass 蓄える
pant はあはあ言う
page 呼び出す
trespass 不法侵入する
ration 分配する
improvise 即興でやる
barge 割り込む
reciprocate 報いる
deport 国外退去させる
rip away ひったくる
mope ふさぎこむ
get bent 怒る
rig ふざける

その他
touch and go 一触即発の
delusional 妄想の
prosaic 平凡な
raving 狂乱の
bashful 恥ずかしがり屋の
anal どうでもいいことに執着する
amenable 素直に従う
quaint 古風な

俗語(英・米)
telly =television
bollocks くだらん、なんてことだ!
crud ちきしょう
crispy 二日酔いの
bugger off ほっといてくれ
git ばか、くそったれ
readneck 労働者
pally 仲間
pep 元気づける





クロニクルという名のファンブックまで買ってしまった。
制作秘話がたくさん載っていて興味深いが、第1シーズンのストーリーしか終えてないので、物語のダイナミズムに興味のある人には物足りないかも。
| | 18:14 | comments(0) | - |
『LOST』に嵌っちゃった訳。LOST鑑賞記 (1)



少し前の事になりますが、アメリカのテレビドラマ『LOST』に今更ながら、ド嵌りしました。
いくつかの項目に分けながら、LOSTの魅力と私が嵌った訳について記しておきたいと思います。


シェアできない
この物語の面白さと複雑さは、登場人物達が自分たちに起こった出来事や思いをなかなかシェアできない、ということにつきる。

島では同時多発的に様々な問題が勃発したり新たな発見があるのだけど、登場人物たちは時にそれを自分1人だけの胸の内に秘めて、みんなとシェアしようとしない。シェアしないのは、島で起こったことが、自分のパーソナルな問題や贖罪意識と絡んでいたり、今目の前にいる相手を信頼できなかったり、距離を測りかねていたりするから。日本は目と目で通じ合う文化、反対にアメリカでは全部言葉にして伝えることが大事なんて、よく英語を習うときに聞いた覚えがある人も多いと思うけれど、英語だったらなんでも言葉に出して説明するかっていうとそうじゃない。

とにかく常に不足する「説明」に、さっき起こったこと、今考えていること、ちゃんとシェアすればいいのに!と思いそうなものだけど、シェアできない理由もちゃんと観客が納得できるように作られているのが圧巻なのだ。入念に作り込まれた登場人物の過去やキャラクターが、島での行動にすべて反映されている。これも多くの批評サイトで言われていることとは思うが、登場人物同士の過去のつながりもとてもうまいこと作られている。


とにかく不幸が多すぎる現世と困った登場人物たち
飛行機が墜ちてこのドラマが始まる前の人生が、とにかく不幸で人生うまく行っていない。それぞれ住む場所も職業も階層も異なるのだけど、ほとんどすべての登場人物に共通しているのが、親子間関係が上手く行っていない、と言うこと。親子の関係も、LOSTの重要なテーマだ。

彼らの人生に大きな負の影響を与えているのが親との関係だが、親が直接的に悪影響を及ぼしているケースだけでなく、社会的に成功した親でも、血がつながっていない親でも、どこにいるか分からない親でも、そしてもう既に死んでしまった親ですらも、子どもにものすごく大きな影響を及ぼしていることが分かる。

最近、田房永子さんという人の書いた『母がしんどい』という漫画を読んで、親との関係やいつかは親になるうる自分の考え方を考え直すきっかけになった。この本はタイトル通り、可愛い絵とは裏腹にものすごく身につまされるし「しんどい」コミックなのだが、多くの人に読んでもらいたい名著だ。

最近、保育所が足りない! というニュースが話題になった。こういう話題が出てくるといつも湧いてくるのが、「じゃあ共働きをやめればいい」「専業主婦になればいい」という意見だ。その理由としては、「赤ちゃんには絶対に母親が必要」とか、「子どもは3歳くらいまではお母さんが育てるもの」などなど、あたかも愛に溢れた正論のような理由が挙げられることが多い。母子の愛は、とかく美化され、絶対視されがちな傾向にある。

思想家の鶴見俊輔さんの著書のなかで、「母親というのは、子どもにとって内心の先住民族であり、抑圧者」(鶴見俊輔・上野千鶴子・小熊英二『戦争が遺したもの』)であると語られている部分がある。
主人公の作者・永子のお母さんは、永子にとっては、まさに「抑圧者」そのものだ。お母さんは「KY」で「好きなったら一直線」な人であり、物語の最後で永子ちゃんが気づくように、お母さん自身の味方をする人がいなかった人だ。だからこそ、ひとり娘である永子からの認証を求め、永子が独り立ちすることも素直に応援できず、いつまでも自分の思い描く母娘の関係の中でのみ永子を愛し、保護し、母親としての自分を認めさせようとする。


主人公である永子は、いつも自分自身に問いかけている。「私は、お母さんのこと、好きなんだろうか、嫌いなんだろうか?」でもそれは、最後まで答えの出せない問いであり、お母さんという存在の影は、永子の人生につきまとい続ける。永子にとって初めて好きになった人、タロウくんまで、お母さんそっくりのひと。あれほどいやだと思っていた環境から抜け出したのに、気がつけばお母さんと同じようなことを言う人と付き合っている…それに気付いたときの、あの絶望と言ったら! そして、永子自身が母親になろうとするときも、「お母さんみたいな親に、絶対なりたくない!!」ともだえ苦しむ。やっぱりお母さんの呪縛がとけない。


世の中には親子の美談があまりに溢れているが、母からの愛は絶対的な真理や正義なわけじゃない。それはもしかしたら確かに愛には違いないのかも知れないけれど、その愛は時に家族や子どもを抑圧したり、苦しめたりして、愛とは伝わらないこともある。母子の関係にたったひとつの絶対的真理の関係性なんてないのだ。


それでも、この本を読んでいると、親子だから絶対仲良しなんてこともないし、しんどいときには距離を置いたっていいんだ、ということを子ども自身が理解して認めるのは、実はとっても大変な作業なのだ、ということをひしひしと感じた。「お母さんが嫌い」とただ言い切れないからこそ、しんどいし、つらい。

主人公であり、筆者である永子が最後に言っていることばは、「自分の味方でいよう」。その言葉を、母と子の関係に悩んでいる人、みんなに捧げたい。


Yahoo! JAPANニュース
あなただけじゃない! 毒親の“愛”に苦しむ子どもたち(ブックレビュー)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130403-00001926-davinci-ent

元記事はこちら。
ダヴィンチ電子ナビ
http://ddnavi.com/review/131559/




自分を信じることができない人や自己評価が低い人特有の恋愛模様
劇の中ではジャックとソーヤーの間で揺れ動くケイト(実生活ではチャーリー(ドミニク・モナハン、ロード・オブ・ザ・リングにもホビット役で出ていた)と付き合って分かれたらしい)。当初はジャックといい感じになったと思ったら、そのあとソーヤーと一緒に暮らすジュリエット(ドラマの中で3回男を変えている)。いくらなんでも主役級のこの四角関係はしんどい。LOSTの世界では島での恋愛も、特に焦点を絞って描かれるこはないけれど、いつのまにか進展し、そしていつの間にか壊れ、いつの間にか次の人に移っている。安定的な関係のカップルなどこの世に存在しないとは思うけれど、とにかく恋愛感情に関しては移ろいやすいのだ。その中で過剰に演歌のような恋愛をする韓国人カップルは、その儒教的関係の描き方も興味深かった(勿論、そこでは韓国社会がやたらとオリエンタライズされて描かれている)。

特に、ドラマを見ていると、好きな俳優さんや登場人物ができることが多いだろう。私は女なので、男性登場人物にかっこいい!と思うことがドラマの魅力だったりそれを見続ける一つのモチベーションになったりするのだけど、LOSTの場合、出てくる男達が誰1人こいつ超かっこいい!と思える人がいない(それなのに面白い)。たとえば、外見だけでみれば、ジャックはきっとモテ線の俳優さんであり登場人物なのだろうが、私は自分の中で合理的で固い考えの中にしかとどまれないジャックに対し、日常生活のなかでよく闘っている相手の典型を見て、いらいらすることが多かった。ソーヤー(モデルのジョシュ・ホロウェイ)も、適当であまりに自分の保身にばかり感けすぎてて、36にもなって自分が作った子どものことも受け入れられずに幼い頃の復讐に燃え、賭け事でもスポーツでも子どもっぽいくらい負けず嫌い・・・など、もし現実にいたら一緒にいる男としては最悪の部類に入る。


LOSTが(おそらく意識的に)見せる多様性
さすがアメリカのドラマだなあ、と思うのは、おそらくかなり意識的に、登場人物の民族や肌の色をバランスよく揃えていること。同じアメリカから来た、という設定でも、ラテン系、アジア系、ヨーロッパ系と様々な人がいて、オーストラリア、イギリス出身など、英語も様々な発音や話法の英語を楽しむことができる。それぞれの出身階層もかなり異なっているため、同じ英語という言語を話していても、かなり多様性のある英語だ。出身地による発音やアクセントの違いだけでなく、語彙量や話法も人物によって大幅に異なる。これもLOSTの魅力の一つだ(詳しくは次ぎのエントリー、「『LOST』の英語」を参照)。

主人公級4人の四角関係に加えて、当然男と女がいれば島での恋愛もたくさん生まれているのだが、思い出してみれば、ゲイの人が1人も出てこなかったな。その辺はヘテロなドラマだった。回を追うごとに変化していく人間関係の中でも、特に主役級のジャック、ソーヤー、ジョン・ロック、ベン、サイードなど男達の関係の揺れ動きがかなり劇的なので、何人かの登場人物が安定的に「友情」のかけらを魅せてくれる場面がこのドラマのよい緩急になっていると思った(具体的にはチャーリーとハーリー、そしてだんだんとソーヤー、ジンがその安定的ほっこりの場面を作り出してくれる)。

前にも述べたが、LOSTは島でのサバイバル生活をテーマにしたSF/サスペンスなので、いつもドキドキする展開があり、謎があり、登場人物の過去シーンもかなりシリアスな場面が多い。それにとてもよい緩急をもたらしているのが、面白い会話をする登場人物が適宜いたこと。ハーリーとチャーリー、そしてソーヤーはLOSTには絶対に欠かせないキャラクターだと思う。個人的にはチャーリーがクレアの息子、アーロンに最初につけたあだ名「カブあたま(turnip head)」というのが可愛くて好き。ソーヤーの付ける英語のあだ名も面白い。ほかにも、ジョン・ロック(これも最初はウケた)の別名がジェレミー・ベンサム(!)など、マニアックだけど嵌ると面白いネタも仕込まれている。台詞で面白いのは、英語話者特有のシニカルな笑い。ハーリーのは性格から来るストレートな面白さだけど、会話で魅せるの個人的ベストは、ソーヤー、マイルズ、チャーリーだと思っている。

言葉に関しては、韓国語話者が二人出てくるのだけど、韓国出身のキム・ユンジンが英語を話せるキャラ、韓国系アメリカ人のダニエル・デ・キムが英語を話せないキャラになっていて、第5シーズンくらいからダニエルの英語が異常なくらい上達する。不自然なくらい英語っぽい文章の構成をするので、少なくともネイティブ韓国語話者が英語を話せるようになる過程で、EFL話者はそんな上達の仕方はしないよ!と思わず口を挟みたくなった。

他にも、何人か途中で韓国語話者が出てくるのだが、彼らの話す韓国語も、韓国語をKFL (Korean as a foreign language)として学んでいるにしては、語彙レベルと話し方&発音のアンバランスが際立っていた。アラビア語含めたくさんでてくる外国語の表現については私の知識がなくて分からないのだけど、英語以外の言葉や外国語話者の英語上達に関してはちょっと演出が甘いなあと思ってしまった。


まとめ
海外ドラマものでは、特に女子には『デスパレートな妻たち』(これはLOSTと同じABC製作)や『セックス・アンド・ザ・シティ』が人気だけど、個人的にはSATCよりもLOSTの方が世界観が大きくて面白かった。ちなみに私は最終回に抱いた謎を解くために、最初から第3シリーズまでをもう一度見直したほどの嵌り具合です。ネタバレになるので謎については言いませんが、こう解釈すればすべての説明がつくという結論を自分の中で出しました。そしてものすごく宗教的(物語ではキリスト教的価値観を描いているけれど)、仏教の

LOSTを見るなら、レンタルするよりHuluがオススメ。一ヶ月980円で、シーズン6まで118エピソード見れるよ。

Hulu

10 best moments of LOST

私のベストモーメントは、デズモンドがペニーと写真を撮ったあと、いきなり別れようとする場面(マニアック)。私はなんだかんだいって登場人物の中で一番印象に残っているのはデズモンドかもしれない。物語のキーパーソンであり、癖のある英語を話す。 男の人と話す時は必ず語尾に「brother」ってつけるのも好き。

一番印象に残った役者さんは、ベンジャミン・ライナス(ベン)役のマイケル・エマーソン。歩き方からしゃべり方まで、切れるけれどちょっと変わったアメリカ人の特徴がよく出ていると思う。他のドラマや映画の出演も是非見てみたい。

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
発売日:2011-01-19





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かぞくのくに + アルゴ + ゼロ・ダーク・サーティ & more

かぞくのくに



新宿テアトルでやっている『かぞくのくに』の再上映を見に行ってきた。北朝鮮から一時帰国する兄を迎える在日朝鮮人のかぞくを描いたドキュメンタリータッチの映画。かぞくのなかでも、イデオロギーや道理に振り回されてその犠牲になる父や息子と、その中で最善策を見つけようともがく母と娘。多くを語ることのできない兄の沈黙が重く、100分は実際よりも長く感じた。

井浦新は捉えにくい役をやるのがうまいと思う。存在感があるし、見ていてどういう人なんだろうと気にさせるオーラがある。主役が彼でなければ全く雰囲気の異なった映画になっていただろう。気の強そうな妹役の安藤サクラが泣く場面もとても良かった。

ネタバレになるので言わないが、最後にお母さん役の宮崎美子がやった行動がこの事実に基づく物語の闇の部分を象徴していると思った。時間と気持ちの積み重なったものを、無駄かもしれない行為に必死で捧げる姿は、母親の無償の愛だと思った。

どの社会であれ国であれ、何も考えずに従うことを強いられる場所は、「この世の果て」だ。
そうやって人間の自由を奪ってまで達成すべき理想郷などどこにもないと思う。


アルゴ



アカデミー作品賞を取る前日に見に行った。
脱出劇の中心となる6人のアメリカ人の人となりを、もう少し描けてもいいのではないかと思った。人質救出側の苦悩なを描くのがこの映画の主旨なのかもしれないが、結構な長い時間彼らを映しているのに、人質6人のキャラクターもそれほどはっきりせず、同じような演出しかしていないのは残念に思った。ベン・アフレックの仕事はすごいなあと思いつつも、最後までベン・アフレック主役の映画だなあと。

最初の10分くらいのアメリカ大使館を占領させれるまでの様子はなか中の見物だ。当時のイランの殺気立った町中やアメリカ人の目から見るイランの人々が描かれていて興味深い。

基本的には社会派映画だと思うのだけど、コメディタッチで面白かったのは、ハリウッドで偽映画を画策しているときに出てくる二人。彼らとのやりとりがこのシリアスで緊張感のある映画の中でいい味わいを出していた。



ゼロ・ダーク・サーティ



この監督の前作にも劣らない問題作、緊張感のある映画。主人公が女の人の分、前作のようなごりごりの緊張感ではなかったが、精神的に追いつめられていく様子を見ていてなんだか感情移入してしまった。シチュエーションは全く異なるが、私が博士論文を書いているときと似ている。すべてが終わったあとの解放も、そのあと流した涙も、あれは成功や完遂のうれし涙なんかじゃなく、自分のやっていることに100%の自信も確信もないなかで、とにかく無我夢中で突き進み、突如現れた終着に放心した時の涙だ、と思った。

拷問の様子や掃討作戦を含め、アメリカが推敲している「テロとの闘い」やテロを起こす側が持つ「戦う信念(聖戦)」の意味についても考えさせられた。映画の途中で「ビンラディンは本当にいると思う?」という台詞があるのだが、この映画に出てくるのは、テロや裏切りへの怒りや焦りだ。最後の最後まで「敵」はでてこないし、見えない。もっといえば、殺して死に顔を確認するまで、その人が敵なのかどうかの確証がないまま闘っている。21世紀の「戦争」は、見えない敵と闘い続けることなんだということを思い出した。


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ご報告

アジアの高等教育ガバナンス (アジア地域統合講座―専門研究シリーズ)アジアの高等教育ガバナンス (アジア地域統合講座―専門研究シリーズ)

一章書かせて頂いた本がやっと発売になりました。学術書なので値段は高めですが、面白い論考がたくさんあるので、東アジア地域の高等教育研究や国際化政策に興味のある人は是非。

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軽蔑+麦の穂をゆらす風


恋愛を中心に扱った映画が一般から受ける評価は、その恋愛にリアリティを感じることができるかだと思う。今回すごいと思ったのは、高良健吾に感じたリアリティだ。例えば最初の10分以内に、ヒロインの真知子にちゃんと誘って?と言われてしまうような欲望と行動の境目のなさ。田舎の甘やかされた坊ちゃんという背景や両親との関係の中で生まれて来ただろう彼の性格や、彼を取り巻く田舎の「悪」友たちとの関係。最後に大森さんが「何故お前だけ愛されるんだ?」と聞いたけれど、何故高良健吾の役に惹かれるか、それを分かった人にだけ、この映画自体の魅力が理解されると思う。

圧倒的に嵌り役と感じた高良健吾に対して、ヒロイン役の鈴木杏ちゃんには最初どうしても違和感があって、元々は違う女優さんに配役がされていたんじゃないかと思っていた。今までの役柄からも考えても女優鈴木杏は、もっと天真爛漫だったり、おとぼけだったり、純情で明るく振る舞う中に少し影を隠し持つようなイメージだったから。あまりシリアスな役やセクシーな役は似合わないと思ったし、正直最後まで、実際に彼女みたいなダンサーがいるとは思えなかった。身体付きや、顔つきも役のイメージからは外れているのだ。

けれど観進めるうちに、彼女がいることでこのストーリーの持つ掬いようのない感じや典型的とも言える堕落の過程を、陳腐でそれっぽい映画表現から救いだしたんじゃないかなと思った。もしかしたらもともとこういう効果を期待して杏ちゃんにしたか、もしくは彼女になったことで結果的にストーリーに厚みをもたらせることになったんじゃないかとすら思った。むしろ、イメージも顔も身体も明らかに役にはあっていないのに、最後までなりきって魅せた鈴木杏はすごいと思った。

映画としては、いくつか冗長と思える長回しが気になった。最初の杏ちゃんのダンスシーン(彼女のダンサーとしての演技を観客が精査する役割になってしまっていると思う)や初めてのベッドシーン(バックからの撮り方が長く、もう少し丁寧に優しく撮ってほしかった)など、ちょっと気になる部分があって、おそらくこの映画を批判する人はこういう部分でつまんない!杏ちゃん似合わない!と思ってしまうのではないか。できれば2時間でおさめたほうが、興行的にもよかったと思う。また、最後の音楽も微妙だった。

それでも良かったのは、熊野というロケーションの圧倒的な美しさや撮影された場所のセットがみなよく作り込まれていて見応えがあったこと。熊野での素晴らしい自然と町並みの間に作り込まれた世界と、てかてかした光の中の雑然とした歌舞伎町とのコントラストは見事だった。

とにかく理由も分からないまま誰かを愛してしまうことに迷いがでたら、もう一度観たいと思う。







ケン・ローチ監督の映画はみんな文句なしに好きだったのだけど、ひとつだけおそらく一番有名なのに見逃していたのがこの映画。アイルランド紛争をテーマにした物語。大きなリスクをかけても、守りたいものってなんなんだろうってことを考えた。それは国家とかプライドとかではなく、今賭けているリスクそのものを守りたい、という矛盾にも似た行動の連鎖だった。
いわゆる二枚目と言うタイプではないのだけど、不思議な目の色をした主人公の演技がすてき。

この映画にも名前だけ一回でてくるけれど、アイルランド紛争といえばマイケル・コリンズ。
この映画ももう一度見たいな。

ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2000-04-21


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インプット月間・映画編
博論が終わって1か月の間、暇さえあれば(寝る間を惜しんで)映画を観たり、本を読んだりしていました。
観たなかで割と良かったもの(☆で3つ以上)と、映画館で観たものを記録。


最強の二人は、もしフランス語が分かったら、もっと面白いだろうなあと思った。この映画のみどころは、二人の会話で、二人のきもちや関係をより意味深いものにしている会話には、たくさんのウィットと深い意味が込められている気がした。


予告編(日本語字幕)



英語字幕版はこっち。




アウトレイジビヨンド。グロは一切受け付けないので、痛そうな部分はすべて眼をつむっていました。
みんなが主役をはれるような俳優さんばかりの中で、何人かの俳優さんは迫力の出し方が過剰すぎて、演技がうまいのかヘタなのか観ていて分からなくなってしまうほどだった。結局かっこいいところばかりを持っていく武。武映画は、ヘタに女を出さないところが好きです。






以下は、huluとU-NEXTとTSUTAYAを駆使して鑑賞したもの。
huluの映画は、いい映画は殆ど既に観ていて、それ以外はただでも絶対見ないだろうなあと思うものばかりだったので、体験だけして解除。U-NEXTはhuluより映画数は多いものの、観たいと思うような映画はすでにほどんと観ているので、これもおそらくすぐに解除しそう。



ピュアな感じ?があまり出ていなくて、前にハチクロで主役をやったときも思ったのだけど、こういううちに色々溜め込むタイプの役よりも、もっと自由奔放な蒼井優の方がみたいなあと思う。例えばタイガー&ドラゴンや花とアリスのときのような。ストーリーは前半は少し退屈したけれど、最後はやっぱり泣かされた。沖縄の島の、美しい風景をもっと観たかった。



筋書きは単純だけど意外と面白かった。俳優陣がよかったからかな。




テーマは面白いのに、どうも鬱屈した雰囲気の漂う映画。田中岷さんはちょっと重すぎたなあ。


角川エンタテインメント
発売日:2008-08-08



舞台のほとんどが法廷での出来事なので派手さはないがとても丁寧に作られたいい映画だった。ただし、戦争犯罪というものについて考えさせられること、憂鬱な気分になることは間違いなし。少しさばいているアメリカの懐の深さを賞賛しているような部分も気になる。また家族の視点からの語りも一面的だなあと思った。無差別爆撃のことだけではなく、戦争後の裁判において勝者が敗者をさばくことの難しさと問題点についても描いていなかったのが少し不満。


バンダイビジュアル
発売日:2010-04-09



三浦しをんの青春小説の映画化。箱根駅伝好きにはたまらないと思う。個性ある登場人物がこのストーリーの魅力なので、もう少しそれぞれのドラマを観たかった。




「俺は、君のためにこそ死ににいく」は窪塚洋介(転向後)や筒井道隆などの有名俳優が出ているけれど、抑制された演技の中村倫也がよかったな。
「俺は、君のためにこそ死ににいく」という映画を見ている。悲しいし、尊いけれど、石原さんが冒頭で言ったように「美しい」とは思えない。
一つ一つのエピソードの演出が描き方も掘り下げ方もどれも中途半端だった。象徴的な出来事をこれでもか、というくらい並べている。例えば日本軍として闘う「朝鮮人」の人が特攻隊に志願して死に行く前にアリランを歌うとか、「靖国神社であおう」っていう台詞はもっと大切に演出されるべき。ケーキと同じで、色んなものを見境なく載せたデコレーションケーキより、一つのテーマを持ったものの方が美味しい。戦争映画を観ると特に、リアルな生死がかかっているだけに、一人一人の人生やエピソードを大切にした演出にしてほしいなと思う。

「お前も男じゃろ。俺らが守らんとだれが守るんじゃ」という台詞に「ほな、兄ちゃんが死んだら日本は勝つんか?」という子どもの問いは実に本質的。勝てないことは既に分かっているのに「負けにも負け方がある」という思想の為にむざむざと命を捨てざるを得ないのは美しくなんてない。非常なる悲劇だ。


アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2007-09-28



これも分かりやすい商業映画かと思ったら、意外と面白かった。


パイオニアLDC
発売日:2000-08-25



江口洋介・鈴木京香というキャスティングは演技がくさいの相乗効果。



現代のシーンで出ていた池松君、「Q10」(ドラマ)の時も思ったけど、いわゆる二枚目じゃないのに、哀愁があって顔で語れる役者さんだ。最初に船を掃除している場面から、ずっと惹き付けられた。

何とも豪華な俳優陣だったけれど、鈴木京香や中村獅童など過剰な演技をする役者さんとそれ以外の抑えた演技をする役者さんの落差がはげしてくて、映画全体が劇画化してリアリティが落ちた気がした。大和の出撃の部分とか、戦略とはいえない無駄死にが決まる場面を、もう少し丁寧に描いて欲しかった。

私は戦争映画を見るとひたすら悲しくて泣く。それは「感動」とはちょっと違う。今回も、お母さんが砂糖の足りないぼたもちをもっと食べろと進める場面とか、息子が死んだのに、お前はぬけぬけと帰ってきて!と言ったあとで反省して泣くお母さんのところで、ひどく号泣してしまった。

お国のために死に行く、っていう「美学」は、私には到底分からない。でも起こったこと自体を否定しているわけではなくて、そうやって死んでいった彼らのことはものすごくリスペクトしている。同時に、彼らは被害者だと思うから、同じような「美学」は決して生みだしてはいけないと思う。




こんな時期だからこそ日韓合作!妻夫木くんの韓国語に萌え死にそう
すごいのは、ジョンウと妻夫木くんが二人で「アジアの純真」を歌うとこ。なんとフルで!


ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2011-01-26




ポニーキャニオン
発売日:2009-08-28



全力でぶつかっているように見えるのにぶつかっていない高校生同士の恋愛。
余韻を残したいという意図的なラストシーンのせいで、なんとももどかしく甘酸っぱい気持がみたあとも1時間くらい残った。

アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2012-02-10



松田龍平のキャラが「まほろ駅前多田便利軒」と被る。

ジェネオン エンタテインメント
発売日:2007-01-25



変でどこかぬけた人たちの会話はそれだけで面白いのだけど、その抜け具合が割と一様だったのが残念。

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10月の映画

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今月は論文2本、来年のプエルトリコでの学会のためのアブストラクト1本、来月は発表3回と、論文2本、12月1日に中間発表とものすごいタイトなスケジュールなのだけど、早稲田に引っ越して電車通勤をしなくなった分、自転車でいろんなところにいっては、夜マックで作業しています。

週末は高尾山、筑波山、銚子、今週末は尾瀬に遊びにいった。
緑のあるところの空気を吸って帰ってくると、身体が浄化された気がする。
それでも新宿辺りに帰って来ると、新宿にいくときはいつも「上京感がある」なんて話していたくせに、あまりに慣れすぎているからか安心する。とくに銚子から東京駅に帰って来たときの安心感といったら。丸ビルで買い物しながら、東京で私が一番安心するのは、適度な無関心と濃密感なのだと思った。

そして相も変わらず寝る間を惜しんで映画見ています。
全部レビューかけないけど、八日目の蝉とグラントリノでは号泣した。


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松山ケンイチは体をもう少ししぼってほしいと思う。あの役のいやらしさは表現できていたかもしれないけど、もう少し鋭さを出したほうが役者として魅力的になるのになあ。

八日目の蝉


私・俺はこういうふうにしか生きれないしそうするしかなかった、っていうストーリーは大抵観ていて心ぐるしくなるものだけど、この映画ではそういう苦しさやもどかしさがなかった。その理由がなんでだろうってずっと考えてる。


フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
アルバトロス
発売日:2007-08-03


フローリア・シジスモンディ
アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2011-08-26



ジェリー・コックス
エスピーオー
発売日:2000-11-03


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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
発売日:2003-02-07



クリント・イーストウッド
ワーナー・ホーム・ビデオ
発売日:2009-09-16


グラントリノは町田さんが軽快で完璧なレビュー(というか背景解説)を書いている。ポリティカリーコレクトネスのあり方とか、色々考えるドラマだった。英語で見るのが苦じゃないひとには、英語字幕でみるのをお勧めします。最後の1分くらいの出てくる涙の量といったら半端なかった。



秋もこれから先も自転車で乗り越えるためにパタゴニアも新調した。
もこもこのブーツも一足増えた。
私の毎日のただ一つの願いは、晴れること。


10月8日荒川花火と下元家訪問のあと。
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